今回は、従業員等が年の途中に海外赴任をした場合の定額減税の対応についてご紹介いたします。
従業員等が海外赴任をした場合は、原則、その出国時に年調減税事務が必要となりますが、海外赴任の予定期間によって、以下のとおり対応が異なります。
・赴任期間が1年未満の場合
基本的には、出国後も日本の居住者になります。
そのため、出国までの月次減税事務で控除しきれなかった減税額がある場合は、出国後も国内の会社が支払う給与に対して月次減税を継続します。
また、令和6年12月には年調減税を行います。
・赴任期間が1年以上の場合
基本的には、出国後は日本の非居住者になるため、出国時に年調減税を行います。
出国後の給与は日本の所得税の対象外になるため、その後の給与には月次減税は行いません。
なお、現地に赴任せず日本国内からリモートで海外業務を行う場合は、日本の居住者として、通常の月次減税と年調減税を行います。
令和6年中に海外赴任から帰国した者については、その帰国時期により、以下のとおり対応が異なります。
・令和6年6月以前に帰国した者
6月1日時点で日本の居住者である場合、帰国後の給与に対して通常の月次減税を行い、12月に年調減税を実施します。
・令和6年6月以降に帰国した者
6月1日時点で日本の非居住者である場合、帰国後の月次減税は行わず、12月に年調減税や確定申告を実施します。
上記対応は、海外赴任や越境リモートワークを行う従業員の定額減税を適切に行うために重要となります。ぜひご参考にしてください。
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