今回は、役員社宅における賃貸料相当額の計算方法についてご紹介いたします。
企業が役員に対して社宅を貸与する場合、企業は月額の賃貸料相当額を役員より徴収する必要があります。この賃貸料相当額を適正に徴収していれば、役員に対する経済的利益はないものとされ、給与課税の対象外になります。では、この賃貸料相当額はどのように計算すればよいのでしょうか。
役員社宅の賃貸料相当額は、固定資産税の課税標準額を基に計算します。固定資産税の課税標準額は、固定資産課税台帳に登録されているもので、一般的には「基準年度の価格(住宅用地特例適用前の価額)」と「住宅用地特例適用後の価額」の2つがあります。
最新の実務においては、「住宅用地特例適用後の価額」を使用することが明確になっています。
住宅用地特例とは、住宅用地の税負担を軽減するため、税額を基準価格の1/6や1/3にする措置です。
つまり、社宅の固定資産税が軽減された後の価額が賃貸料相当額の計算に用いられることになります。
なお、豪華社宅(一般的な住宅とみなされない高級な社宅)についてはこの計算方法は適用されず、通常支払うべき使用料など、実際の価額に基づく計算が必要になりますのでご注意ください。
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