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賃上げ促進税制 再編に伴う調整計算に注意

令和6年7月22日号掲載

近年、賃上げ促進税制の適用件数が増加傾向にあります。

よって、合併など組織再編が行われた場合の調整計算を誤るケースが実務上多くみられるそうです。

そこで今回は、賃上げ税制の注意点に関して、ご紹介させていただきます。

 

賃上げ促進税制は、基本的に、適用年度の雇用者給与等支給額について前事業年度の雇用者給与等支給額(比較雇用者給与等支給額)と比較するため、合併等が行われた場合、比較雇用者給与等支給額の計算は、合併により増加した被合併法人に係る給与等支給額に相当する部分を加算して調整することになります。

 

合併法人の調整対象年度(前事業年度)は、調整対象年度ごとに、その合併法人のその各調整対象年度に係る国内雇用者に対する給与等支給額に、その各調整対象年度に含まれる月のその合併に係る被合併法人の月別給与等支給額を合計した金額にその合併の日からその適用年度終了の日までの期間の月数を乗じてこれをその適用年度の月数で除して計算した金額を加算します。

 

例えば、X社(3月決算法人)が令和6年7月1日にZ社を吸収合併した場合における、X社の調整対象年度(令和6年3月期)の給与等支給額は次のように計算いたします。

 

【前提】

・X社 令和6年3月期の給与等支給額:1,800,000円

・Z社 令和6年3月期の月別給与等支給額の合計額:1,200,000円

※月別給与等支給額は、対象期間に実際に支払った金額ではなく、事業年度間に毎月均等に支給されたものとして仮定した金額になります。

 

【計算式】

① 1,200,000円(Z社 月別給与等支給額)×9/12(合併した日~期末までの月数) =900,000円

② 1,800,000円(X社 給与等支給額)

③ ①+②=2,700,000円

 

よって、X社の調整対象年度(令和6年3月期)における雇用者給与等支給額は2,700,000円になります。

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