今週は、労務に関する話題をご紹介いたします。
厚生労働省は、先日、社会保険料による手取り減少を避ける就業調整の解消へ向け、いわゆる「年収の壁」の対応策として「年収の壁・支援強化パッケージ」を公表し、以下4つの対応策を示しました。
■「106万円の壁」への対応
① キャリアアップ助成金(「社会保険適用時処遇改善コース」の新設)
新たに厚生年金保険・健康保険の適用がある場合、労働者の収入を増やすために、手当等の支給や労働時間延長を行った事業主に最大50万円が助成されます。
② 社会保険適用促進手当
事業主が新たに適用となった労働者の保険料負担を軽減する目的で「社会保険適用促進手当」を支給した場合、被保険者の標準報酬月額等の算定から同手当を除外することができます。
■「130万円の壁」への対応
③ 被扶養者認定の円滑化
残業等による一時的な増収があった場合においても、被扶養者認定に通常必要な書類に加えて、収入変動である旨の事業主の証明があるときは、直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、連続2回まで被扶養者認定をすることが可能となります。
■配偶者手当への対応
④ 企業の配偶者手当の見直しの促進
配偶者が勤務する企業が配偶者手当を支給するに当たり、年収103万円以下などといった収入要件を設けていることが就業調整の一因となっていることに留意し、企業側に配偶者手当の見直しの手順等を示した資料等を作成・公表することとしました。
・「106万円の壁」
週所定労働時間20時間以上、かつ、従業員数が101人以上の企業に勤務する第3号被保険者が年収106万円以上である場合、厚生年金保険・健康保険への加入及び社会保険料の支払が必要となることを指します。
・「130万円の壁」
従業員数が100人以下の企業で働く第3号被保険者が年収130万円以上である場合、被扶養者認定の対象外となり、国民年金・国民健康保険への加入及び社会保険料の支払が必要となることを指します。
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