10月から開始されるインボイス制度に関連し、公正取引委員会には独占禁止法や下請法(独占禁止法等)違反の可能性について、多くの問い合わせが寄せられています。
場合によっては、取引先に対する登録の意思確認が「登録強要」として受け取られ、問題となるおそれがあります。
そこで、取引先へのインボイス登録の意思確認の際に独占禁止法等において問題とならない行為及び問題となる可能性のある行為について、ご紹介いたします。
◎問題とならない行為
・インボイス登録事業者(課税事業者)になるよう要請すること
・登録をすること又はしないことによるメリット・デメリットを説明すること
・インボイス登録の要否判断として、次のような選択肢を示すこと
①登録をした場合、取引条件を変えることはない
②登録をしない場合、現状の取引価格に含まれる消費税相当額を段階的に引き下げる
◎問題となる可能性のある行為
・「登録をしない場合、取引を打ち切る又は価格を引き下げる」と、取引先に対して一方的な通告をすること
以上のとおり、免税事業者自身が課税事業者となるか否かを自由に選択することができる状態での合意の形成に向けた話し合いは、問題ありません。
これに対し、免税事業者の選択の機会を奪う形での一方的な通告は、問題となる可能性がありますので、ご注意ください。
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