給与所得者(いわゆるサラリーマン・OLの方など)は、毎月の給与から控除する源泉所得税を計算する際に、『給与所得控除』という調整が入っています。
この給与所得控除額は、給与の額に応じて、最低で年間55万、最高で年間195万発生するのですが、特定の方は、確定申告時にこの給与所得控除額に加えて、『特定支出控除額』という制度の適用を受けることが出来ます。
今回は、この特定支出控除について取り上げたいと思います。
『控除の対象となる特定支出』(下記の支出を、自身で行っている場合です)
①通常必要であると認められる通勤費
②職務上必要になる旅費
③転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる費用
④職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的とした研修費
⑤職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
(*)弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
⑥単身赴任などの場合における帰宅旅費
⑦図書費・衣服費・交際費等で給与等の支給者が必要と認めた費用
(⑦の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)
•適用条件
上記7つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。
上記の特定支出の合計額がその年中の給与所得控除額の2分の1を上回る必要があります。
•制限
給与の支払者から補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分に所得税が課税されていない(会社で経費となっている)時は、その補てんされる部分は特定支出から除かれます。
•特定支出控除額
上記特定支出の合計額 - 給与所得控除額 の金額
以上が特定支出控除額の概要となります。
一般的に(1)の特定支出の多くは、勤務先の会社が負担しているものが多いかと思いますが、個人負担での④の研修費や⑤の資格取得費等が多く発生することが見込まれる場合は、勤務先に証明書を発行して頂いた上で、この制度の適用を検討してみてはいかがでしょうか。
答えは、3万円未満であればインボイスは不要です。
3万円未満の公共交通機関(船舶、バスまたは鉄道)による旅客の運送については、インボイスの発行事業者(公共交通機関)は、 インボイスの交付義務が免除されます。
この場合、取引の相手(公共交通機関の利用者)は一定の事項を記載した帳簿の保存のみで、仕入税額控除が認められます。
特例の対象には、船舶、バス、鉄道またはモノレールだけでなく、特急列車に乗車するための特急料金や寝台料金なども含まれます。
他方で、駅構内に入場するために支払う入場料金や手回り品料金は、旅客の運送に直接的に附帯するものではないため、原則的には本特例の対象とはなっていません。
なお、3万円未満かどうかについては、1回の取引の税込金額で判定することとし、1商品(切符1枚)の金額や、月まとめ等の額で判定することにはならないのでご注意ください。
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