令和5年度の税制改正によって、政府は「貯蓄」から「投資」へと促すことを目的にこれまで運用してきたNISA(少額投資非課税)制度の充実化が図られました。
今回は従来のNISA制度にも触れながら新NISA制度について、ご説明いたします。
•従来のNISA制度
(1)つみたてNISA
①非課税期間:最長20年
②年間投資上限額:40万円
③対象商品:一定要件を満たした投資信託
④投資方法:積立のみ
⑤投資可能期間:令和24年まで
(2)一般NISA
①非課税期間:最長5年
②年間投資上限額:120万円
③対象商品:上場株式・公募株式投資信託等
④投資方法:一括・積立
⑤投資可能期間:令和5年まで
ただし、両制度はどちらか一方のみ
•新NISA制度(令和6年1月以降)
(1)つみたて投資枠
①年間投資上限額:120万円
②非課税保有期間:無期限
③非課税保有限度額:1,800万円
④対象商品:現行の「つみたてNISA」対象商品
(2)成長投資枠
①年間投資上限額:240万円
②非課税保有期間:無期限
③対象商品:上場株式・投資信託等(高レバレッジ投資信託などを対象から除外)
なお、両制度とも併用可能
3. 改正点のまとめ
1)制度の無期限化
…従来のNISA制度では、一般NISAが令和5年まで、つみたてNISAが令和24年までとなっていました。 新NISAではこの期間が撤廃、恒久的な制度となります。
(2)非課税保有期間が無期限化
…一般NISA制度を選択した場合の非課税保有期間は5年でしたが、 新NISA制度の非課税保有期間は無期限となったため、長期の投資や保有が可能となります。
(3)生涯非課税保有限度枠が採用
…新NISA制度では、1人につき1,800万円の非課税保有限度枠で管理が設定されます。 たとえば、毎月15万円投資すると10年間にわたって非課税投資ができる計算です。この非課税保有限度枠は、生涯にわたって利用できます。
(4)旧制度・新制度の分離
…新NISA制度は現行のNISA制度と分離された扱いとなり、イチから始められます。また、すでに一般NISA制度で投資している方は向こう5年間、 つみたてNISA制度で投資している方は向こう20年間にわたり、税制優遇された状態での運用を継続することが可能です。
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