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所得税
「給与所得の源泉徴収票とは」

令和4年12月12日掲載

給与所得の源泉徴収票(以下、源泉徴収票)とは、1月1日~12月31日までの1年の間に会社から支払われた給与や賞与などの金額と、その中から納めた所得税の金額が記載されている書類のことです。源泉徴収票ではご自身が会社からいくら支払われて、いくら所得税を納めたのかが分かります。
今回は知っているようで知らない源泉徴収票の見方をご紹介します。

 

1. 支払金額の欄
…支払金額とは、給与や賞与、各種手当、残業代などを含めた会社が従業員に対して支払った総支給額のことをいいます。「年収」という言葉がありますが、一般的に年収は源泉徴収票における支払金額を指しています。なお、支払金額には、一定金額以下の通勤手当は含まれません。

 

2. 給与所得控除後の金額の欄
…給与所得控除後の金額とは、支払金額から給与所得控除額を差し引いた金額をいいます。
給与所得控除額は、「給与所得者にとっての必要経費」との考え方から定められた概算経費で、支払金額に応じて控除額が決められています。

 

3. 所得控除額の合計額の欄
…所得控除の額の合計額とは、上記2.の「給与所得控除額」以外の控除額で、まとめて記載されます。所得控除の額に含めるものは、個人により異なります。例えば、社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除や扶養控除などです。

 

4.  源泉徴収税額の欄
…源泉徴収税額とは、年間で納めた所得税額のことをいい、毎月の給与から天引きされた所得税の合計額のように思っている方もいますが、正しくは「年末調整の精算が済んだ後の所得税額」をいいます。
「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた所得の金額に応じて、5%~45%の税率を乗じて計算します。

 

5. 源泉徴収票が必要になる場面
  1)転職時
 …転職時には、源泉徴収票を受け取る必要があります。なぜなら、前職の源泉徴収と転職先の源泉徴収を合算して年末調整を行う必要があるからです。その際、その年の1月1日〜退職日までの給与にもとづいた「給与所得の源泉徴収票」が発行されます。発行時期は退職後1ヵ月以内であり、源泉徴収票は次の職場で年末調整を行う際に利用されます。転職先に必ず提出しなければならない書類なので、忘れないようにしておきましょう。

2)収入証明が必要になった時
…住宅を購入したりローンを組んだりする際に、収入証明書類が必要になる場合があります。
収入証明書類として利用できる書類には、給与明細や納税通知書などがありますが、源泉徴収票も収入証明書類として利用することが可能です。

3)確定申告時
…原則として会社に勤務している場合は会社で年末調整を行ってもらいますが、年収が2,000万円を超える場合、副業による所得が20万円を超える場合などは確定申告を行う必要があります。
また、住宅ローンを組んだ最初の年や医療費控除を利用するときなども確定申告が必要になりますので、源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。

 

詳しくはC Cubeコンサルティングへご相談ください!
(税理士 棚村 亮介)

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