本年の確定申告も残すところ4日となりましたが、申告書の提出先にルールがあることをご存知でしょうか?
所得税は、1月1日~12月31日までの1年間に得た所得を計算し、翌年3月15日(本年は4月15日)までに納税地を管轄する税務署に確定申告書を提出します。
納税地とは、どの税務署に確定申告書を提出すべきか決める場所で、確定申告する人の住所によって異なります。原則は、確定申告する人の住所(住民票がある所)を管轄している税務署に提出します。ただし、住所以外の場所を管轄する税務署に提出したほうが便利ということもあるでしょう。そのような人のために税務署に一定の届け出をすることで、以下を納税地として選択することが認められています。
1. 居所地(生活の本拠ではないが、相当期間継続して居住する場所)
・・・例えば住所登録はA県B市ですが、事業の関係で週に3日ほどC県D市にいる場合、A県B市が住所地、C県D市が居所地になります。住所ではなく居所があるという人は、その居所地が納税地になります。
2. 事業所
・・・事業に関する業務を行う場所をいい、店舗や事務所などが該当します。
また、一見判断に迷う納税地についても記載したいと思います。
ケース1:年の途中で引っ越しをした場合
・・・確定申告書を提出する時点で住んでいる場所が基準となります。
令和2年中(1月1日~12月31日)はA税務署管内に住んでいたとしても、令和3年において確定申告書を提出する時点(2月16日~4月15日)にB税務署管内に住んでいた場合、申告書の提出先はB税務署です。過去の年分の申告書を提出する場合も同様で、申告する時点の管轄税務署になります。
ケース2:亡くなった人の確定申告を行う場合
・・・納税地は相続人の住所地ではなく、死亡時の被相続人(亡くなった方)の住所地となります。
ケース3:住民税の場合
・・・管轄の税務署に所得税の確定申告をすると、住民税の申告も同時に行ったことになります。
住民税は、1月1日(令和3年1月1日)現在の住所地で、前年(令和2年1月1日~12月31日)までの1年間の所得に対して課税されます。したがって、住民税の計算のためには1月1日の住所が必要となります。たとえ、1月2日以降に他の区市町村に転居した場合でも、1月1日現在で住んでいた区市町村に住民税を納付します。前年と本年で住所が変わっていない場合は影響ありませんが、前年12月31日までは東京にいて、1月2日に大阪に引っ越し、3月に所得税の確定申告書を提出するような場合、第一表の上段「住所(又は事業所・事務所・居所など)」の欄には大阪の住所(申告書を提出する時点の住所)を、「1月1日の住所」の欄には東京に住んでいた時の住所を記載します。
現在は大阪に住んでいても、住民税は東京に納税することになり、申告書には2つの住所を記載することになります。
確定申告を行うときは、提出先の税務署を確認しておくことも大切です。所得税の計算が終わってホッと一息・・・といきたいところですが、誤った税務署に提出しないためにも今一度ご確認頂ければと思います。不明な点はご遠慮なく、お問い合わせください!